「ブラック介護施設」それは労働環境に問題があり、労働基準法を守っていない介護施設を指します。
こうしたブラック施設では、従業員の負担が過剰で、働きやすい環境とは程遠い状況が見られます。
ブラック介護施設が生まれる原因として挙げられるのは、介護業界における人手不足です。
多くの介護施設や事業所は、この人手不足が原因で一部にブラックな要素を含んでいる可能性があります。
一部にブラックな要素を含む、一般的な介護施設は以下のような内容です。
- 残業や休日出勤が頻繁にある
- 職場の人間関係が悪い
- 他の介護施設と比較して給与が著しく低い
ただし、ブラック介護施設はこれらの問題がさらに深刻で、労働基準法に違反している場合もあります。
こうした施設で働くことは、心身の健康に悪影響を及ぼす可能性が高いため、事前に見分けることが重要です。。
- ブラック介護施設の実態
- ブラック介護施設の求人の特徴と見分け方
- ブラック介護施設に入社してしまった時の対処法
以上の内容を解説していきます、
ブラック介護施設によく見られる特徴
介護業界では、「残業が多い」「希望休が取りにくい」といった声がしばしば聞かれます。そのため、「介護業界はどこもブラック」というイメージを持たれることも少なくありません。
しかし、すべての職場がそうではありません。
以下の内容に3つ以上当てはまる場合、その施設はブラック介護施設といえるでしょう。
① 休日出勤が多い
本来の休日に出勤を求められ、プライベートの時間が削られてしまう。
②残業が多い
定時で帰ることがほぼ不可能で、長時間労働が常態化している。
③希望休が取れない
従業員の希望を考慮せず、シフトの融通が効かない。
④休みが少ない
法定の休日日数が守られておらず、求人票に記載されている休日数より少ない場合も。
⑤ 夜勤明けでも翌日勤務が当たり前
夜勤後に十分な休息が取れず、連続勤務が常態化している。
ブラック介護施設が抱える深刻な3つの問題
1. 人手不足の悪循環
劣悪な労働環境により人材が定着せず、さらに人手不足が深刻化します。その結果、残った従業員への負担が増加し、さらに離職者が出るという負の連鎖に。
2. 労働基準法の無視
法律を守らない勤務体制が従業員の健康や生活に悪影響を及ぼし、信頼できる職場環境とは程遠い状況に。
3. 従業員の疲弊
過度な労働により従業員が疲弊し、介護サービスの質が低下するリスクが高まります。
- 過酷な労働
- 介護職員の離職が増える
- 介護サービスの質が落ちる
- 介護施設の評判も落ちる
- 新規利用者の入所が減る
- 介護施設に経営自体にも影響が出る
安全で適切な職場を選ぶために必要なこと
ブラック介護施設の特徴を知ることは、職場選びにおいて非常に重要です。求人情報だけでなく、実際の労働環境や社員の声も確認し、安心して働ける職場を選びましょう。
現在、介護職の皆さんが安心して働けるように労働環境の改善に力を入れている施設も増えています。
あなたが安心して働ける職場を見つけられることを願っています。
私が経験した「ブラックな介護施設」の実態
私が以前働いていた特別養護老人ホームは、まさに「ブラック介護施設」と呼ぶにふさわしい職場でした。
このような劣悪な環境は、介護業界のイメージを悪化させる大きな要因の一つです!
以下に、私が体験した具体的な内容をご紹介します。
あなたの職場と比較してみて下さい。 似たような箇所があればその職場は要注意です!
①残業・休日出勤が当たり前の毎日
勤務時間内に業務を終えることが難しく、残業や休日出勤が常態化していました。しかし、驚くべきことに残業代は一切支払われず、サービス残業が当たり前の状況でした。
②夜勤手当の未払い
夜勤をしても夜勤手当が支給されないのは違法行為にもかかわらず、それが堂々と行われていました。法定の手当が無視されることで、職員たちは経済的にも大きな負担を強いられていました。
③施設長によるパワハラの横行
施設長からの厳しい言葉や理不尽な要求が日常的に行われ、職員の精神的な負担は計り知れませんでした。相談する窓口もなく、孤立無援の環境が続いていました。
④利用者受け入れ体制の不備による事故多発
利用者の受け入れ体制が整備されておらず、その結果事故が頻発していました。安全管理が十分に行われておらず、利用者や職員にとって非常にリスクの高い環境でした。事故により精神的なダメージも大きかったです。
⑤人手不足による派遣職員依存
慢性的な人手不足のため、現場は派遣スタッフに頼りきりの状態でした。職員間の連携が取りづらく、コミュニケーション不足がサービスの質を大きく低下させていました。
⑥求人票と実際の労働条件が異なる
求人票に記載されていた内容と、実際の労働条件が大きく違っていました。例えば、給与、勤務時間、福利厚生などの重要な条件がすべて期待外れで、多くの職員が失望していました。
⑦職員間のお金の貸し借りトラブル
職員同士でお金の貸し借りが多発し、トラブルが頻繁に起こっていました。経済的な不安やストレスが、このような状況を引き起こしていたのかもしれません。
⑧試用期間の超過で正社員扱い
試用期間3ヶ月という約束でしたが、試用期間が半年以上延長され、ようやく正社員になれました。これは労働基準法違反の可能性があり、法的な問題を抱えている施設の実態を示しています。
⑨コロナ禍での過酷な労働環境
コロナ禍では、濃厚接触者となったにもかかわらず、熱が下がればすぐ出勤を命じられるなど、職員の健康を軽視する姿勢が目立ちました。また、人手不足を理由にサービス残業が連日続き、月の休みはわずか4日という過酷な状況でした。
私の経験から見えるブラック介護施設の特徴は、労働環境の過酷さや法令違反、人間関係の問題など多岐にわたります。
これらの問題が改善されない限り、介護業界全体の質の向上は望めません。
まずは一人ひとりが働きやすい環境を求めることで、より良い介護サービスが提供できるようになるでしょう。
ブラックな介護施設の求人に潜む特徴と見抜くポイント9選

介護業界で働くうえで、ブラックな介護施設を見極めるスキルは非常に重要です。求人情報に隠された危険信号を見逃さず、自分に合った働きやすい職場を選びましょう。ここでは、ブラックな介護施設の求人によく見られる特徴と、その見抜き方を解説します。
1. 給与が極端に高いまたは低い
- 異常に高い給与提示
平均給与を大幅に上回る高額な給与が提示されている場合、長時間労働や過酷な業務環境が背後に潜んでいる可能性があります。 - 給与が低すぎる
業界水準を大きく下回る給与では、適正な待遇を期待するのは難しいでしょう。
2. 仕事内容の記載が曖昧
求人に「アットホームな職場」や「楽しく働ける環境」といった抽象的な表現ばかりで、具体的な業務内容が明記されていない場合は要注意。入職後に予想外の仕事を押し付けられるリスクがあります。
その雰囲気に誰もが馴染めるかというとそんなことはありません。良好な人間関係を求めるのであれば、そのような曖昧な表記に飛びつくことは危険です。慎重に求人を選びましょう!
3. 長期間にわたる求人募集
常に同じ求人が掲載されている施設や「急募」を強調する場合、人手不足が慢性化している可能性があります。職員の定着率が低いことを示しているケースが多いため警戒が必要です。
こまめに求人サイトをチェックして「あれ?この求人随分前から掲載されているな」と感じたら警戒して情報収集しましょう。
4. 福利厚生の過度なアピール
「〇〇手当」「◇◇補助」など福利厚生のアピールが多いにもかかわらず、具体的な労働条件が記載されていない場合、実際の職場環境が過酷である可能性が高いです。
5. 研修やサポート体制が不明瞭
介護の現場では専門的な知識やスキルが求められますが、研修制度やサポート体制が曖昧な求人は、十分な教育を提供していない可能性があります。
6. 離職率が高い
スタッフの定着率が低い施設は、労働条件や職場環境に問題を抱えていることが多いです。施設見学や口コミサイトを活用して、離職率の高さの理由を調べましょう。
7. 入職日が「すぐにでも」「急募」
「急募」や「すぐに入職可能」といった表現を多用する求人は、深刻な人手不足が背景にあります。この場合、過酷な労働環境でスタッフが短期間で辞めてしまっている可能性が高いです。
8. 残業や休暇に関する情報が曖昧
「残業少なめ」「休みが取りやすい」などの曖昧な表現が使われている求人は注意が必要です。具体的な残業時間や有給休暇の取得実績が記載されているか確認しましょう。
9. 雇用形態が不安定
正社員以外の非正規雇用が多い施設は、雇用が不安定で待遇が悪い可能性があります。また、試用期間が異常に長い場合も注意が必要です。
ブラック介護施設を避けるためのポイント
ブラックな介護施設で働かないためには、求人情報を鵜呑みにせず、冷静に判断する力が必要です。
そして情報収集し、自分の目で確かめることが大切です。
- 施設見学や面接で自分の目で確認:職場の雰囲気やスタッフの様子を直接観察する。
- 口コミや評判を調べる:インターネットや知人を通じて実態を把握する。
- 介護求人サイトで具体的な条件を確認する:労働条件や福利厚生、研修制度について詳細に質問し、不明点を解消する。
以下の記事は介護求人サイトを利用してブラック介護施設を回避する方法を詳しく解説しています。
もっと詳しく知りたい方はこちらも参考にしてみて下さい。

ブラック介護施設に入社してしまったらどうするべきか

ブラック介護施設の特徴を理解せずに入社してしまい、過酷な労働環境に直面することは避けたい事態です。
しかし、もしそのような状況に陥った場合、心身の健康を守るために以下のステップを検討しましょう。
現状を正確に把握する
労働条件の確認
- 契約書や就業規則の見直し: 自分の給与、労働時間、業務内容が契約内容と一致しているか確認します。
- 法令の理解: 労働基準法など関連法規を理解し、自分の労働環境が法的に適正か判断します。
問題点を記録する
証拠の収集
- 労働時間や業務内容の記録: 日々の勤務時間や業務内容を詳細にメモします。
- ハラスメントの記録: 不当な言動や指示があれば、日時や内容を具体的に記録します。
- 書面やメールの保存: 契約書、給与明細、社内メールなど、証拠となる書類は全て保管します。
社内での解決を試みる
上司や人事に相談
- 問題の共有: 信頼できる上司や人事部に現状を伝え、改善を求めます。
- 労働組合の活用: 労働組合があれば、相談してサポートを受けることも検討しましょう。
外部機関への相談
労働基準監督署への相談
法的サポートの利用: 労働条件が法令違反の場合、最寄りの労働基準監督署に相談します。
専門家への相談
弁護士や専門家の助言: 労働問題に詳しい専門家に相談し、適切な対処法を学びます。
転職の準備をする
転職活動の開始
- 新たな職場探し: ブラックな環境から抜け出すため、転職を視野に入れましょう。
- スキルアップ: 転職に有利になる資格取得やスキル向上を目指します。
退職計画の策定
- 退職時期の決定: 退職のタイミングを計画し、スムーズな移行を目指します。
- 経済的準備: 貯金や生活費の計画を立て、経済的な不安を軽減します。
自己ケアと支援ネットワークの活用
心身の健康を最優先
- メンタルヘルスケア: 必要に応じて医療機関やカウンセリングを利用します。
- ストレス解消法の実践: 適度な運動や趣味でリフレッシュを心がけます。
家族や友人への相談
サポートを受ける: 信頼できる人に相談し、精神的な支えを得ます。
退職時の注意点
退職の意思表示
- 退職届の提出: 書面で正式に退職の意思を伝えます。コピーを保管し、提出日時を記録します。
- 法律上の権利を主張: 退職の意思表示から2週間後には退職可能であることを理解します。
引き止めへの対応
- 毅然とした態度: 引き止められても退職の意思が固いことを明確に伝えます。
- 退職理由は詳細に伝える必要なし: 「一身上の都合」で問題ありません。
退職を申し出ても辞めさせてもらえない場合
ブラック介護施設では、退職を拒否されたり引き止められることがあります。その際の対処法は以下の通りです。
法的な退職の権利を理解する
- 正社員の場合: 民法により、退職の意思表示から2週間後に退職できます。
- 契約社員・パートの場合: 契約期間中でも、やむを得ない事情があれば退職可能です。
外部機関やサービスの利用
- 労働基準監督署への相談: 退職を妨害される場合、公式に相談します。
- 退職代行サービスの活用: 自分での手続きが難しい場合、専門のサービスを利用します。
最後に
会社が退職を認めない、または引き止める行為は違法です。自分の権利をしっかり理解し、冷静に対応することが大切です。健康や将来を考え、無理をせず、必要ならば外部の専門機関に助けを求めることをためらわないでください。
ブラック介護施設に関してさらに詳しく知りたい方、現在介護の仕事で悩んでいる方は以下のリンクをご覧ください。
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